失敗を後悔するのではなく問題解決の好機と捉える思考力

問題解決

あなたは大きな失敗をしてしまったことはありますでしょうか。と、これは愚問であるはずです。なぜなら、誰もが失敗などは仕出かすものだからです。

「いや、私は失敗はしない」

とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。しかしこのような人は、結果的に成長することは難しい方だといえそうです。今回はその理由と、失敗を問題解決の好機と捉える思考力についてお話を進めていくことにしましょう。

「失敗」という概念を理解する

「失敗しない」は経験の範囲内で行動すること

失敗など誰もがしたくはないものです。また、失敗にはリスクも伴うことから、あらかじめ予防策を講じることも必要となるはずです。

よって、失敗はすべきことではないわけです。しかし失敗なしに先に進むこと自体にもリスクは存在します。

失敗をしないということは、つまりはこれまでに通る道を選択することを意味します。これまでに何度も通った道、つまり経験したことの範囲の中でのことであれば、人はおおよそ起こりうる事象を予想することが可能となります。あらかじめ回避することが可能となるわけです。

成長するために避けて通ることができない失敗

人が成長するためには、これまで通ったことのない道を選択する必要があります。また、自ら道を切り開くこともあることでしょう。

さて、このような場合、未知や未開の地を歩むことになることから、その環境においてどのようなことに遭遇するかを想定することは難しいことになります。

よって、これまでの経験則をもってしても、どうしても想定外の失敗をすることは避けられません。つまり、人が成長するためには、失敗を完全に回避することは難しいわけです。

失敗とは行動に対する結果である

失敗とは行動に対する結果と言えます。何も行動を起こさなければ失敗に遭遇することはありません。つまり、行動によって得ることができる情報であるわけです。

なかには失敗を恐れるために、新たな行動に出ない人もいるものです。しかしこのような行動パターンは、おおよそ成長を望んだり、問題解決を具現化することは難しいと言えます。何もしないわけですから、事態に変化が生じることはほぼないわけです。

失敗は次の一手を講じるために不可欠な指針

行動によって得られた失敗の捉え方

新たに行動を起こす場合、それは未知な領域に足を踏み入れるわけですから、おおよそ何が起きるかわからないものです。よってあらかじめ想定したものと異なる結果となることも少なくないはずです。

たとえば、あらたなビジネスを展開したとして、予想を大幅に下回る結果となれば、それはある意味失敗であるわけです。多くの人は失敗を目の当たりにした場合、大きく凹んだり先に進むことを止めてしまうことになります。

しかしこれはとてももったいないことといえます。

なぜなら、「行動」→「結果」という貴重な経験則を得ていながら、これを更に先へ進むための指針として活用していないからです。

せっかくの失敗経験を次に活かさないのは勿体ない

失敗は成功に近づくためのひとつの指針

何らかの行動を起こすことで得た失敗は、次の一手を繰り出すための指針として大きな効果を発揮することになります。

新たなビジネスを展開したものの、思うような結果を得られなかったといった場合、そこには結果のみならず、なぜ思うような結果が得られなかったかの原因を知ることになります。

すると次には、この原因を排除した行動を起こすことが可能となります。つまり次の一手を踏み出すことができるわけであり、それは初めて行動を起こした段階とは別の次元における行動となりうるわけです。

よって、これを繰り返すことで、徐々に問題解決を図ることが可能となり、目標へ到達することができることになります。

必要となる失敗ができる環境の構築

新たに行動を起こす場合、そこには失敗が付きものであり、失敗は次の一手を繰り出すための指針であることについてをご理解いただけたかと思います。

「しかし失敗などしたら再起できなくなるのでは?」

と、そんなご意見も聞こえてきそうです。確かに大きな失敗は再起さえも不可能とするかもしれません。

よって1度や2度の失敗などで再起不能に陥るようなリスクを背負わず、何度でも試行錯誤を繰り返すことができる環境の構築は不可欠と言えるでしょう。

PDCAを回すことの必要性

PDCAとは生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法であり「計画:Plan」→「実行:Do」→「評価:Check」→「改善:Action」を繰り返すことからPDCAサイクルと呼ばれることもあります。

・計画:Plan
・実行:Do
・評価:Check
・改善:Action

PDCAサイクルにおいて失敗は評価の部分に相当します。計画を立てて実行をしたとしても評価は思わしいものではないかもしれません。しかしこのサイクルにおいてそれは改善のための指針であり、改善を加えたごに計画を立て実行に移すことで、次の評価はさらに目標に近づくことになります。

PDCAサイクルを繰り返すことで成功に近づいていくことをご理解いただけるはずです。失敗は単に凹むことではありません。むしろ行動に対する評価であり、成功を指し示す重要な情報であり、そして経験則であるわけです。