常識的な考え方にこそ多くの問題点が内在することを理解する

問題解決

人はおおよそ失敗やそれに伴うリスクを嫌うものです。このため、多くの人は常識的な考え方の中で、誰もが歩む道をトレースしようと考えます。しかし昨今の社会は、大きな変革期を迎えており、これまでの常識的な考え方が通用しないことも多くなりつつあります。

つまり、常識的な考え方にこそ、多くの問題点が内在することも少なくないのです。

常識的な考え方に内在するリスク

人が思い描く常識的で順調な人生

小さな頃から勉学に励みつつ、中学高校、そして大学へと進学し、無事就職をして社会へと出ます。

当初は右も左もわからなかった新入社員は、徐々にスキルを高めていくことでしょう。また、30歳になる頃には、結婚をして家庭を持ちます。賃貸マンションで新婚生活を送るものの子供ができたことを機に、新築の一戸建てやマンションを購入。家族で移動するためには車が必要と、同時に車を所有することにもなることでしょう。

仕事は順調であり、徐々にではありますが昇給も果たします。それに際してライフスタイルも向上し、あなたは豊かな人生をエンジョイすることとなるわけです。

さて、ここには実に健全な一人の人生が存在します。また、そこには何ら間違いを発見することはありません。すべてにおいて順調な人生であるはずなのです。

常識的な人生の中に存在するリスク

新興住宅街が開発されると、そこにはほぼ同じ年代、同程度の年収の人々が住まいを購入するものです。場所にもよりますが、年収はおおよそ400万円から600万円程度でしょうか。

ところ狭しと並ぶ戸建ての駐車場には、新車が並びます。週末にもなれば、ご主人がその車を洗車している光景もよく目にすることができます。

一見、平和な生活が戸建ての数だけ存在するかのように思えます。

しかし現状、表面的に実に常識的なご家庭は、徐々にではありますが、リスクが忍び寄ります。ご自分の年収いっぱいまで引き上げたライフスタイルは、結果として日々の困窮生活を招き始めます。

また、子どもたちが大きくなるに連れて、教育費は増大します。さらには、ライフスタイル向上のために買い求める家具や自動車、各種サービスが家計を圧迫することにもなるかもしれません。

高度経済成長期であれば、年功序列的な昇給を望むこともできましたが、現在ではそれほど給与は上昇しません。

日々の生活費がどうしても足りず、妻は子供が幼稚園や学校へと通っている間、パートに出ることを決意したりします。

夫であるあなたの小遣いは徐々に減らされ、自由に使うことのできるお金はわずかです。また、毎日の長い通勤時間と満員電車で疲労は蓄積されていきます。

 

「なぜ、これほどまでに苦労しているのに、私の生活は楽にはならないのだろう」

 

、あなたはそう考えることでしょう。さて、常識的なこれらの生活は、なぜこれほどまでに辛いものとなってしまったのでしょうか。

みんなで渡った青信号、よくよく見れば赤信号

これまでご紹介した半生は、常識的なものであるはずです。しかし多くの方は、日々の生活に困窮していたり、多大なストレスの中での生活を余儀なくされています。

それでも常識的なものであるわけなので、皆そんなものだろうと考えて日々を過ごします。つまりみんなで渡った青信号なので、危険であるはずがないとの結論をもっているわけです。

これは自分を育ててくれた親の生き方を見ても明らかです。親世代は同様の流れの中で生涯を送ってきています。よって間違いは存在しないはずなのです。

しかし、親がたどった軌跡とは異なる展開にあなたは悩み始めます。生活は過酷になる一方です。

社会構造は日々変化している

実は、これは社会構造の変化によるものといえます。

親世代は、高度経済成長期からバブル期、そしてバブル崩壊といった流れの中で生涯を過ごされています。まだ、終身雇用制度が機能していた時代です。

まともな職に就き、真面目に働きさえすれば、定年を迎えるまでを安定的に過ごすことができたわけです。

ところが、現在は終身雇用制度は崩壊し、非正規労働者の数が年々増加してきています。一度正社員から離脱してしまえば、年収は激減します。しかも正社員に復帰する道はほぼありません。

この社会構造の変化の中で、35年ローンで家を買うこと自体、大きなリスクとなることに気づく人はむしろ少数派であり、つまりは、みんなで赤信号を渡っている可能性が高いのです。

現状把握の上で構築すべき問題解決策

人はとかく常識的な考え方に流されやすいものです。しかし先の例のように、常識的な生き方の中にも、実は大きなリスクが内在する場合があります。

常識に依存してしまうと、そのリスクに気づかないこともあることをご理解いただく必要はありそうです。

「みんながそうしているから」では、みんなと同様に共倒れるリスクもあるからです。

現状を的確に把握する

昨今、平均年収を大幅に超える層においても、生活困窮者は増えつつあります。年収1千万円を超えていながら、日々の生活費が足りないという方も決して少ない数ではないのです。

これらの方々は、おおよそ年収を超えるライフスタイルを追求されているものです。

同様の年収を得ている人々のライフスタイルを参考に、自らのライフスタイルも向上させていきます。

 

「あのご家庭もそうだから」

 

という理由で、欲しいものを競って購入したりサービスを利用したり、子供には新たな教育を施したりします。また、長期休暇には家族で海外旅行を楽しむこともあることでしょう。

さて、常識的な生活とは、なんでしょうか。

家庭内の収入と支出に目を向け、ご自分なりに安定した生活を徹底すべきなのにもかかわらず、常識的な生活を追い求めてしまうことに問題はないでしょうか。

まずはご自分の現状を的確に把握する必要があります。そこには、常識的な水準などまったく必要がないわけです。

「収入=支出+貯蓄」を厳守したライフスタイル

安定した生活を維持するためには、月々「収入=支出+貯蓄」を満たすライフスタイルを維持する必要があると言われています。

簡単な等式ですが、これを維持してさえいれば、貯蓄額は毎月確実に積み上がっていくことになることをご理解いただけるはずです。

繰り返しますが、この公式は常識的なライフスタイルとはなんら関連はないわけです。